岩舘隆

国産漆の最大産地、岩手県浄法寺。浄法寺塗は、天台寺の僧侶たちが日々の食事のために作った「御山御器」がその由来とされています。長い年月をかけて育った漆の木から、一滴一滴大切に集められたその漆をふんだんに使用し、何度も何度も塗り重ねて作り上げられます。

一時は途絶えてしまった浄法寺塗を再興へと導いた岩舘隆さんの漆器は、控えめでマットな艶、しっとりとした手触り、飾り気のない端正な意匠、使う度に実感する堅牢さが持ち味。決して特別な日だけに登場するのではない、日々の暮らしに寄り添う器です。

「浄法寺塗の仕上げをするのは使い手」と言われるように、はじめはマットな質感が、毎日使うほどにつややかに変化し、少しずつ育っていきます。

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